出産前診断の全て ~ 種類 確率 リスク 羊水検査 クアトロ 新型等~

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色々と物議をかもす”出生前診断(検査)”

 

倫理的な問題から、医師会や各団体から出生前診断に関する考え方が発表されています。

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色々と問題になるこの”出生前診断”ですが、技術がある事実は曲げられませんし、今後も受ける妊婦の方々は多いのでしょう。

 

命の選択に関する問題も含め、出生前診断に関する情報(受ける時期・費用・リスク・概要等)をまとめておきたいと思います。

 

出生前診断とは?

主に妊娠10週~17週ぐらいの間に胎児の状態を様々な方法で確認し、病気や奇形がないかを確認する技術。

 

超音波検査(エコー検査)は通常どの妊婦にも行いますが、より詳しく調べるために様々な出生前検査の方法が存在します。

 

日本の法律では22週未満までは中絶ができるため、”命の選択をするのか!”など様々な批判が集まる中、多くの妊婦が出生前検査を受けています。

 

私たちダウン症者を支える親としては、子どもが否定されたような感覚になるこの出生前診断とそれに伴う中絶。

 

中絶をする前提の検査は当然倫理的に許されるものではありません。しかし病気や奇形が判明すれば、産んだ後の準備や勉強が前もってできるメリットもあるため、それを理由に出生前診断が実施されるのです。

出生前診断の種類と詳細

いくつか存在する出生前診断。妊娠週数やリスク、費用を考え、どれが適しているのかを見極め、選択する必要があります。

ここでは出生前診断に関する細かな情報をまとめます。

 

母体血清マーカー検査(クワトロテスト)

受ける妊娠週数:15週~17週

※22週未満まで受ける事ができます。それ以降はデータがないため受けられません。

 

費用:約25,000円程

 

クワトロテストの特徴:

1990年代後半から日本で実施されるようになった母体血清マーカー検査(クワトロテスト)。

※トリプルテストもあります

新たな出生前診断の技術はでてきていますが、費用の安さや手軽さにより今でも多くの妊婦が受けています。

妊婦の方から少量(2~3ml)の血液を採取し、その血液成分と※いくつかの要因をみて、21番トリソミー・18番トリソミー等の染色体異常の確率を検査します。※血液成分以外の要因は 妊娠週数・家族歴・体重・インスリンの依存度等

この検査により、染色体異常の確率がでてきます。

検査を受けた人の年齢等により確率の基準が設けられており、その基準の事をカットオフ値と言います。

カットオフ値よりも高ければ”スクリーニング陽性”、カットオフ値よりも低ければ”スクリーニング陰性”となります。

 

リスク:

①検査結果は確定診断ではない

あくまで確率を検査するだけであり、スクリーニング陽性であっても染色体異常がないケースもある。

 

②染色体異常以外の疾患は対象外

ダウン症・18番トリソミー・神経管閉鎖不全症の確率は出ますが、他の染色体異常や疾患に関する検出はできません。

 

超音波検査(エコー検査)

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妊婦だったら誰でも受ける超音波検査(エコー検査)でもダウン症等の疑いを発見するケースがあります。

ダウン症の一番大きな特徴は後頭部の浮腫(NT)で、これが正常値と乖離しているとダウン症等の疑いが持たれます。

 

エコー検査による検査項目は多岐に渡りますので、詳しくまとめた記事を作りました。興味ありましたらこちらをご覧ください↓

ダウン症のエコー特徴 写真が出て来たので改めて考えてみる

 

羊水検査

妊娠週数:15週~17週

 

費用:約20万円~25万円程

 

羊水検査の特徴:

染色体や遺伝子の状態を調べる出生前診断。長い注射針のような物を使い、子宮から羊水を抜き取ります。

ダウン症はほぼ100%の確率で発見され、その他もかなり高い確率で判断する事が出来ます。

しかし染色体と遺伝子の異常は、先天性疾病の約20%に過ぎず、残りの80%は羊水検査ではわかりません。

検査を受けてから約2週間後に結果がわかります。

 

リスク:

①流産の可能性

流産の可能性が多くの研究結果として報告されています。

しかし羊水検査を受けた事による流産と、その他要因による流産の判断ができないため、この2つが混在されて報告されているケースも多いようです。

そのため流産リスクは0.06%~0.2%と、研究によりかなりの幅があります。

 

②中絶の場合は母体に負担がかかる

この項目はなるべく書きたくないのですが・・・

多くの場合は16週に検査を行い、結果がでるのが約2週間後の18週目。ここでの中絶は母体に大きな負担がかかります。感染症の可能性もあるので、細心の注意が必要です。

 

絨毛(じゅもう)羊水検査

妊娠週数:10週~13週

 

費用:約10万円~15万円程

 

絨毛羊水検査の特徴:

胎盤ができる前の絨毛を針で採取し検査をします。

羊水検査より早い段階で検査する事が出来るので、その後の対応(勉強や中絶等)がしやすいメリットがあります。

 

リスク:

一昔前は羊水検査よりも流産リスクが3倍高いと言われていました。

しかし今では、羊水検査とほぼ変わらないリスクだと研究データが出ているようです。

 

新型出生前診断(NIPT)

妊娠週数:10週~18週

 

費用:約20万円程度

 

新型出生前診断の特徴:

正式名称は”無侵襲的出生前遺伝学的検査(むしんしゅうてきしゅっしょうぜんいでんがくてきけんさ)”と言い、NIPTと略されます。

血清マーカーと同様に少量の血液(20cc程度)を採取し検査をするため、流産や感染症のリスクがなく、母体への負担が軽いのが大きな特徴です。

検出されるのはダウン症・18番トリソミー・13番トリソミーのみで、その他の染色体異常は見つけられません。

そして新型出生前診断(NIPT)は誰でも受けられるわけではありません。以下の5つの条件どれかに合致する必要があります。

1・エコー検査で染色体異常の可能性を示唆された

2・母体血清マーカー検査で染色体異常の可能性を示唆された

3・以前に染色体異常の子どもを出産している

4・35歳以上

5・両親のいずれかが特定の疾患を有している

 

リスク:

①疑陽性

血清マーカー検査と比べると格段に検査精度は高いが、羊水検査のような診断確定ではありません。

陽性と強く疑われる”疑陽性”と言った診断結果もあり、結局羊水検査を受ける事となる事も。もしくは疑陽性の段階で中絶を選択する人も多く、大きな問題となっています。

 

倫理について:各団体の考え方

ダウン症協会の考え方 HP

JDS は、母胎内で育ちつつある命とそれを幸福と不安の中に育んでいる妊婦さんのために、出生前検査をマススクリーニングとして一般化することや安易に行うことには、断固反対します。

 

問体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する検討委員会

母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針の”VI 母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に対する医師、検査会社の基本的姿勢”にはハッキリ明記されております。

母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査について医師が妊婦に積極的に知らせ る必要はない。

 

出生前診断という技術がある以上、実施される事は避けられません。この時代に重要なのが正しい倫理の元使われる技術として環境を整える事にあると思います。

社会として染色体異常の人々を排除する事は断じてならないと思います。

染色体異常だから中絶、健常だから産む。社会がこの状態では現在生きている染色体異常を持つ人たちが住みよい国になるはずがありません。

 

ダウン症児を育てている私からのメッセージ

私の友人に、出生前検査をして中絶を選択した夫婦がいます。その後健常児が2人生まれ、沢山の笑顔にあふれた家族でとても幸せそう。

 

しかしその夫婦は今とても後悔をしています。常に心にモヤモヤがあると言っていました。

 

確かにアップ君がダウン症だと告知された時は絶望の淵に立っていました。しかし今はダウン症のアップ君がいなければ私は不幸の崖に転落してしまいます。それ程わが息子を愛しています。

 

ダウン症と告知された時のブログ記事:ダウン症児のエコー 誕生 告知 絶望 産まれた時の心境

 

ダウン症児を支える芸能人に元マラソン選手の松野明美さんがいます。彼女がテレビ番組で行った一言がとても印象的でした。

 

「産んでみないとわからない事が沢山ある」

 

産む前はとても不安だと思いますが、ぜひ子どもとの未来を明るく考えてください。

 

意外に・・・いや信じられないくらい幸せな毎日かもしれませんよ!


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