親亡き後、ダウン症者の資産管理は誰がするのでしょうか?
知的障害があったり、アルツハイマー病になる確率の高いダウン症者は資産管理が難しい。
もし親が亡くなった後、ダマされてお金を失ってしまったら、この子はどうやって生活するのでしょうか?入所施設を変える時、どうやって契約するのでしょうか?
そんな時に役立つ制度が”成年後見人制度”。これを理解しておけば不安解消につながるかもしれません。
今日は”成年後見人制度”に関して書きます。ダウン症を支える人たちの不安が少しでも和らげばと思います。
※成年後見人制度は沢山の種類がありますが、一番多い”後見”に関する内容を記載いたします。
ちなみにこの本1冊で将来の不安に思う点は網羅されていると思います↓
成年後見人制度とは
知的障害者や認知症により判断能力が十分でない場合、資産管理等の援助をしてくれる人を立てる制度です。
例えば施設と契約したいが、判断能力がなく、本人が契約できない場合、後見人が”ダウン症者に代わって”契約をし、契約料や利用料等を払うことができます。
更に後見人は契約の取消権も保有しています。ダウン症者が詐欺にあい、高額な商品を購入してしまった場合でも、後見人がその契約を取り消すことができます。
知的障害者等の資産が本人のために使われ、生活しやすい環境を作ることができるのです。
後見人の具体的な仕事
では後見人は一体何をするのでしょうか、何ができるのでしょうか。
①財産管理
・預金や現金等の管理
・収入支出の管理
・税務処理 等々
②身上監護
・医療や介護に関する契約
・施設に関する契約
・生活に関する契約
※心身監護と聞くと介護をするイメージを持つ方が多いですが、あくまで生活をするための契約が仕事なので、介護行為を行う義務はありません。
成年後見人は誰が決めるの?
成年後見人は家庭裁判所が特定の人を指定します。
ただ申請書に候補者を記入しますので、その候補者が後見人になるケースがほとんどです。
もし候補者が適任でないと家庭裁判所が判断した場合は、司法書士や弁護士等の専門職後見人になる場合があります。(初めから専門職後見人を希望する事も可能)
報酬は?
親族が後見人の場合、報酬は発生しない場合が多いのですが、専門職後見人の場合は毎月2万円~3万円程度の報酬が必要になります。
※親族が後見人の場合でも報酬を設定する場合もあります。
これも本人の資産や収入の状況に応じて変わります。
成年後見人制度の問題点①:親族が後見人になりたがらない
一昔前は親の介護等も親族が行う事が当然の様でした。しかし現在はデイケアや老人ホーム等が普及し、家族よりも社会で介護を行っているケースが多く見られます。要するに親族が親の介護を敬遠していると言うことです。
後見人に関しても同じことがいえ、兄弟等の親族が後見人を断るケースも散見されています。
成年後見人制度の問題点②:親族による資産の使い込み
後見人になった親族が、資産の使い込みをする問題があります。年間80億円もの被害が報告されており、後見人制度自体の信頼が損なわれる大きな問題となっています。
この問題を解消するために、”後見人制度支援信託”が最近話題に挙がっています。これに関する説明はまた後日。
成年後見人制度の問題点③:専門家が後見人になった場合費用が必要
姉弟がいない、親族が後見人になりたがらない。そう言った場合は弁護士や行政書士が後見人に指定されます。(今でも後見人の半数以上が家族以外です)
その場合毎月2万円~3万円程度の費用が必要になり、ただでさえ厳しい生活状況をさらに圧迫させてしまうのです。
ただダウン症者のほとんどが”障害年金”を受給しており、重度で約100万円、中程度で約80万円の年金が支給されています。その障害年金は施設利用に消費され、手元に残るのは25,000円~28,000円。それがそのまま専門職後見人に支払われる・・・洋服はどうやって買えばよいのでしょうか?趣味を楽しむことはできるのでしょうか?
お金を残す最善の方法:終身保険
親が亡くなった後、子ども達を支援するためには、多少のお金が必要です。
最良・最善のお金の残し方は”終身保険への加入”だと思っています。この保険は一生涯死亡保障があり、なくなったら指定した人(子供や配偶者)に大きなお金が支払われます。
下に保険の設計例を記載いたします。『これはよい!』とおもったら、ぜひ保険担当者を読んで加入してください。
【例】35歳男性 保険金額1,000万円の場合
・毎月払うお金(保険料)は23,190円 払込終了は60歳 ※60歳までの払い込みですが、保障は一生涯続きます
・払込総額は 23,190円×12か月×25年=695.7万円
・もし亡くなった場合、1,000万円が支払われる
いかがでしょうか、払込は700万円で、死亡したら1,000万円が支払われる。300万円以上も上乗せされて子供にお金を残せます。300万円貯めようと思ったら相当大変ですよ。これが保険契約するだけで実現できるのです。
最後に
まだまだ問題点の多い”成年後見人制度”ではありますが、資産管理を第3者に任せられる制度があることは、私たち障害者の親にとって関心材料の一つだと思います。
ただ数十年先のことなので、今からそこまでの不安を抱く必要はないと思います。成年後見人制度だってどうなっているか解りませんから。
しかしお金を残す準備は早めに始めた方が、楽になることは間違いありません。
今後さらなる制度改正と環境整備を期待しつつ、子どものために少しでもお金を残してあげたいと思います。
はじめまして。いつも楽しみに拝見しております。
うちにも2歳になったばかりの息子がいます。
今回のテーマ「親亡き後」については私も色々と心配があります。やはりお金は大事だと思います。
そこでご教授頂きたいのですが、加入されてる終身保険の会社と商品名を教えて下さい。前に保険屋さんに聞いてみたんですが分かりませんでした。
よろしくお願いします。
バリ男さん
コメントありがとうございます。
私が加入している終身保険は、2本ありまして、両方ともメットライフ生命の商品です。
一本はドル建IS終身保険保険。
二本目はつづけトク終身保険。
利率の高いドル建てと、リスクの少ない円建てとミックスしています。
円建ての終身保険はあんしん生命と悩みましたが、一つの保険会社に纏めた方が管理しやすいと思いメットライフにしました。
終身保険の見極め方は 保険料と返戻率 です。
保険金額と払込期間を一緒にして、保険料が安いのはどこか?
保険料が安くても返戻率が悪いと使い勝手が悪いので、そこも注意です(^ ^)
保険は難しくて面倒臭いかも知れませんが、人生を守るとても素敵な商品なので、ぜひ色々比較検討しながら加入してください。
不明な点があったら、いつでも気兼ねなく聞いてください!
保険オタクのアップ君パパより
丁寧なご回答ありがとうございました。
偶然にも同じもの入っていました。
自分でもビックリしています。
これからも新しい商品や情報などご教授頂ければ幸いです。