Q&A

ダウン症の基本情報に関して

ダウン症と言う名前の由来は?

ほとんどの人が “様々な機能が健常者よりも劣っている。だからダウン症”と思われています。私もその一人でした。

しかし名前の由来は違います。1866年,イギリスの医師 ダウン│John Langdon H.Down によって,独立した疾患として報告されたのが始まりです。

ダウン症は病気ですか?特徴ですか?

あなたはどう思いますか?あなたが病気と思えば病気です。特徴と思えば特徴です。病は気から”とは少し違いますが、あなたのとらえ方次第だとおもいます。

ちなみに私は”病気”ととらえています。

ダウン症は治るのですか?

現在の医学では治りません。一本多い染色体を抜くことはできません。しかしアメリカのマサチューセッツ大医学部のローレンス教授がある実験を成功させ、論文を発表されました。その発表が・・・ “通常より1本多い染色体の働きをほぼ止めることに成功”というものです。もしかしたら将来治るようになるのかもしれませんね。

ダウン症の種類は?

21番トリソミー・転座型・モザイク型の3つのタイプがほとんどです。(13番や18番トリソミーの方も稀ではありますがいらっしゃいます)

全体の93%が21番トリソミーで、一般的なダウン症と言った認識があります。ちなみにモザイク型が一番症状が軽いと言われています。

 

ダウン症の早期療育に関して

早期療育は生後何か月からすればいいの?

早ければ早いほど効果は高い”と研究結果が出ています。ダウン症だと診断されたらすぐにでも始めるべきだと言う事です。

私の息子が本格的に療育を受け始めたのが、6か月目ぐらいからですね。

早期療育の方法はどこで学ぶの?

都道府県や市区町村などの自治体で運営しているセンターが一番だと思います。私はインターネットで徹底的に調べて、自宅での療育が初めの一歩でした。

 

 ダウン症の合併症に関して

ダウン症の外見的な特徴は?

目が離れている・顔が平べったい・目が吊り上がっている・皮膚が柔らかい・手相に猿線がある・二重まぶた・舌が大きい・手の小指の関節が一本・後頭部が偏平・耳の奇形・手足が短い 等々判断材料とされる特徴は沢山あります。

心室中核欠損

心臓の左心室と右心室を隔てている筋肉の壁に生まれつき穴が開いているため、左心室から右心室へ血液が漏れてしまう病気。簡単に言うと、心臓に穴が開いている状態です。先天性の心疾患の中で一番多い病気で、ダウン症児でなくとも多くの子供たちがこの病気を持って産まれてきます。ほとんどのケースで半年以内には自動閉鎖(勝手に穴が塞がる)しますが、心不全状態が重い子供たちは手術も必要になります。しかし現在の医療技術によって95%以上の確率で穴を塞ぐことができます。あんなに小さい赤ちゃんの心臓を治せるなんて、医療ってすごいですね!

心房中隔欠損│ASD

心室中隔欠損と同様に、左心房と右心房を隔てている筋肉の壁に穴が開いている状態です。全身を回って汚れた血を受け取るのが右心房。肺できれいになった血を全身に送るのが左心房ですが、その間に穴が開いているので、左心房(綺麗な血)から右心房(汚れた血)へ逆流が起こります。本来全身に送られる綺麗な血が少ないので、通常より少ない血で全身を動かすことになります。さらには肺に通常より多くの血が送られるので、血管を傷つけると言われています。心室中隔欠損と同様に自動閉鎖(勝手に穴が塞がる)しますが、1cmを超える穴だと自動閉鎖の可能性はかなり落ちるようです。塞がらなければ最終的に手術を受けて閉じる事となります。私の息子も心臓に穴が開いていましたが、今は信じられない程元気です。

動脈管開存│PDA

赤ちゃんはお母さんのお腹にいる時肺で呼吸をしていません。なので血液を肺に送る必要がないので、動脈管という管を使い、肺を経由せず全身に血液を送っています。通常産まれてから数時間、長くても2週間程度で動脈管は塞がります(稀に1か月半程経ってから閉じるケースもあるようです)。しかしこの動脈管が塞がらず、心臓から排出された血液が動脈管から肺や全身に送られることにより負荷がかかる症状です。PDAとも呼ばれています。心不全や細菌性心内膜炎を起こしやすいので、抗生物質等で感染予防が必要です。自動閉鎖しなければ時機を見て手術で閉じる事となります。

房室中隔欠損症

簡単に書くと左心房・左心室・右心房・右心室の間を隔てる壁に穴が開いている状態です。左心室と右心室・左心房と右心房、それぞれの間に襖のような仕切りがあるのですが、そこにも欠損が確認されるので、手術によりその襖の形成をする事となります。

ファロー四徴(しちょう)症│TOF

心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそん)、右心室流出路狭窄(うしんしつりゅうしゅつろきょうさく)、大動脈騎乗、右心室肥大という4つの特徴があるので“四徴”と言います。心不全の症状(ミルクを飲む量が少ない・体重の増えが少ない・汗が多い等)が見られます。その他の心疾患と違い、自然治癒は期待できません。治療は外科手術で行われ、内科的治療は手術に向けての暫定的な意味合いになります。

十二指腸閉鎖・十二指腸狭窄

赤ちゃんが飲んだミルクは食堂を通り、胃から腸に運ばれるのです。この胃と腸の間が膜や狭窄により閉鎖し、腸にミルクが運ばれ辛くなる病気です。先天的に持って産まれる場合、出生前診断されるケースが多いようです。赤ちゃんは黄だんや脱水の症状が出るので、それらの治療を終えた後外科手術を行うのが一般的です。

鎖肛

肛門が閉鎖すると書いて鎖肛(さこう)なので、文字通り肛門に異常があります。大きく分けると低位(下位)・中位・高位に分けられ、低位の場合は産まれてすぐ手術するケースもあるようです。中位・高位の場合は、人工肛門をつくり、経過を見て外科手術により肛門を形成するケースが多いようです。

ヒルシュスプル

腸管の神経節細胞が欠如するために、腸閉塞や重症便秘として発症します。軽度であれば自然治癒も期待できますが、他消化器系疾患と同様に手術を行い、その後内科的治療を施していく事となります。

斜視

焦点が合わず、視線が正し方向を向かない症状です。よくあるのが片方の目は正しい方向を向いていて、もう片方の目が違う方向を向いている状態です。当然話し相手は視線が逸れていることに気づきますので、斜視の症状は見た目ですぐ分かります。外斜視・内斜視・上下斜視と大きく3つに分かれますが、どのタイプでも相手から斜視の状態はわかりますし、本人も物が二重に見えたりします。手術で矯正もできますが、完全には治らない場合が多く、多少の誤差は生じます。