心身障害者扶養保険という、障害者の親(保護者)しか入れない共済保険があります。
共済と聞くと毎月の掛け金が安く加入できる!と思われる方もいると思います。
今日はこの「心身障害者扶養保険」がダウン症者を支える親にも良い保険となるのかをお伝えしたいと思います。
加入できる要件
この共済は誰でも加入できるわけではありません。障害者の保護者のみが加入できる制度です。
障害者の要件は以下の通り
(1) 知的障害
(2) 身体障害者手帳を所持し、その障害が1級から3級までに該当する障害
(3) 精神または身体に永続的な障害のある方(統合失調症、脳性麻痺、進行性筋萎縮症、自閉症、血友病など)で、その障害の程度が(1)または(2)の者と同程度と認められる方
加入年齢:~65歳未満まで
ダウン症児の親は(1)にほぼ全員が該当しますので、この共済制度への加入ができます。
毎月の掛金
加入時の年度の 4月1日時点の年齢 | 掛金月額(1口) 平成20年度以降加入 |
35歳未満 | 9,300円 |
35歳以上40歳未満 | 11,400円 |
40歳以上45歳未満 | 14,300円 |
45歳以上50歳未満 | 17,300円 |
50歳以上55歳未満 | 18,800円 |
55歳以上60歳未満 | 20,700円 |
60歳以上65歳未満 | 23,300円 |
※加入する親の年齢で見てくださいね。
20年払い込み and 65歳以上 になるまで払い込めば掛金の支払いが無くなり、保障は一生涯続きます。
では総額でいくら払うか計算してみましょう。
私は35歳~40歳の枠に入るので、毎月の掛金は11,400円。65歳まで払うことで30年間払います。
11,400円 × 12か月 × 30年間 = 4,10,4000円
50歳~55歳の枠に入る人は、毎月の掛け金が18,800円。20年間払うことになります。
18,800円 × 12か月 × 20年間 = 4,512,000円
給付金の支給額
親が死亡・高度障害状態になった場合、ダウン症の子どもに毎月お金が支払われます。
1口加入の場合 : 2万円
ではどれぐらいダウン症の子どもが受け取れるか計算してみましょう。
ダウン症の平均寿命は50歳と言われていますが、平均寿命はどんどん延びています。
親が死亡してから、10年生存した場合。
2万円 × 12か月 × 10年間 = 280万円
親が死亡してから、20年生存した場合。
2万円 × 12か月 × 20年間 = 480万円
かなり簡略化して書いていますので、詳しくは心身障害者扶養保険事業のサイトをご覧ください。
↓心身障害者扶養保険事業のホームページ
http://hp.wam.go.jp/guide/fuyou/tabid/243/Default.aspx
結局よい保険なの?どうなの?
親が早くに死亡し、ダウン症児が長生きすればよい保険と言えます。
ダウン症の寿命を考えているブログ記事がこちら↓
例えば35歳の私が「心身障害者扶養保険」加入して、5年後に死亡したとしましょう。
掛金合計
11,400円 × 12か月 × 5年 = 684,000円
アップ君が5年後は6歳なので、その後44年生きたとしたら。
20,000円 × 12か月 × 44年 = 10,560,000円
・・・・もし35歳の私が民間の保険会社で毎月1万円の掛捨保険に入ったら、6,000万円以上の保険に入れるでしょう。
例えば35歳の私が「心身障害者扶養保険」加入して、80歳で死亡したとしましょう。
掛金合計
11,400円 × 12か月 × 30年 = 4,10,4000円
アップ君は私が80歳の時は46歳なので、その後6年間生きたとしたら。
20,000円 × 12か月 × 6年 = 1,440,000円
・・・・払った金額すら帰ってきていません。
1:親が早死にした場合は民間の保険会社の方が格段大きな保障を得られる。
2:親が長生きした場合は払った金額すら帰ってこない。
これを鑑みると、私は「心身障害者扶養保険」を選択肢に入れません。
※一般的に寿命が短いと言われているダウン症だからです。平均寿命が健常者と変わらない身体障害者等はこの限りではありません。
民間の保険会社の方が家族を守れる保険だと言えると思います。
納得できる保険が一番
ダウン症を支える親の場合は「心身障害者扶養保険」の事を選択肢から外すと書きましたが、納得して加入したのなら、それが一番良いと思います。
保険加入の際に一番やってはいけない事は”担当者に任せたよく解らない保険への加入”です。
難しいと思うかもしれませんが、徹底的に調べて納得できる保険商品・保険会社・保険担当者から加入してください。
解らない事がありましたら、いつでもコメント欄に書いてくださいね。